自分の仕事をつくる③

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考え方

・徹底的なテストでクオリティを高めていくことが、本物であることだと思っています。私たちは、マーケットの売れいきに応じてデザインしているわけじゃない。それを使う人が実際に何を求めているかに、常に関心があります。(アウトドアに居る=身を置くことを大事にする指向性は、パタゴニアの基本コンセプトかもしれない。それは創業者自身が何よりも前にクライマーでありサーファーであり、1年の半分をアウトドアで過ごしながら、そのなかでビジネスを考え育ててきたことで、そして、それがパタゴニアの現在の成功に至っていることの自信に根ざしていると思う。

・ですから私たちは、自分たちの製品の品質や使い勝手について、ごく自然に興味を持ちつづけてることができている。スタッフ自身によるフィードバックは重要。

・使う道具の質に、多くのデザイナーは敏感だ。しかし仕事の道具はコンピュータや文具だけではない。たとえばオフィス空間や、仕事上のちょっとしたコミュニケーション習慣など。環境という方が包括的かもしれないが、これらは仕事の質に強く関わる。

・その人が持っているもの、ちょっとした光っている部分に気付いて、ポッと焦点の合った仕事を与えると、人は必ず成長する。与えることが大事なんです。そんな時は、いくらでも平気な顔で働いているし、時間の使い方や他人との兼ね合いについての感覚も、もう僕の手を離れて成長していきますね。

・いまは長い時間をかけて、社会が新しい課題を探している時期だ。モノがあること、あるいはお金があることが豊かではないことはわかってきた。では次に目指すべき豊かさは、どこにあるだろう。

何をもって豊かなのか?これは人によって個体差があるから決して測ることができないのだけど、日本では、こんなに技術が発達して、ご飯も満足に食べれて、欲しいモノがあればネットでクリックすれば家まで届けてくれる、こんな便利な日本でも世界と比べたら幸福度は62位。発展途上国の方が順位がはるかに上だ。幸福や豊さは、便利なことやモノであふれていることではない。お金をもっていることに価値を求めている人は本当に幸せな人生を送っているのだろうか。豊かさとは、いま自分が過ごしているその時間に大きく関わっているんじゃないかな。

・僕もいくつかの大学で教えているが、学生たちと話していると、「好きなことをやっても食べていけるんですか?」「必要とされんですか?」という具合に、社会的価値をめぐる約束をあらかじめ取り付けたいような、そんな不安が滲み出た質問を受けることがある。が、ハッキリ言って、あらかじめ意味や価値を約束されている仕事など、どこにもない。建築家になればいいわけでも、医者になればいいわけでもない。肩書きは同じでも、意味のある仕事をしている人もいれば、まるで意味の感じられない仕事をしている人もいる。「これをやれば大丈夫!」というお墨付きを求める心性は、年齢差に関係なく分布しているようで、これらに出会うと本当に途方に暮れる。

このままAIが進み、2030年には3割の方が職を失うと言われている。自分が好きな仕事をするということは、不安定な生活が強いられることもあるだろうが、雇用されている方もずっと安定だとは保証できない時代がすぐそこまできている。どちらを選択しても不安定ならば自分の好きな仕事を見つけるしかないのでは。

・できるだけ自由に、自発的に仕事をしてもらうこと。そして逆説的であること。その仕事の価値や意味を問い続けること。

・安心して肩の力を抜ける環境づくりは必要かもしれない。褒めることで、勇気や自信を持つきっかけを与えることも、多少はできるかもしれない。しかし、自信とは文字通り自分を信じることであり、本来的に他人から与えられるものではない。本人が自分自身で抱くものでなければ、継続的な力の源泉にはならない。