走って、悩んで、見つけたこと①

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・練習していると「きつい」と感じることがあると思います。ちょっと変だと思うかもしれませんが、僕はそんなとき頭と体を別々に考えるようにしています。きついと感じているのは脳であって、身体ではない。だから体には出さないようにと意識する。表情ひとつとっても、顔はなるべくリラックスした状態をキープして、思考と身体を切り離す。きついという感覚はすごく主観的なもので、冷静に考えて、そのきつさを分析すると意外と対応できるものです。

・マラソンはレースで得るものよりもトレーニング期間で少しづつ気付いていくものが多い気がします。それは一瞬一瞬、ひとつひとつのピースを大事にしていくということ。あまり遠くを見すぎず、着実にひとつずつのパズルのピースをはめていくイメージです。その日その日をちゃんと消化すること、常に前回やっていた練習と同じくらい、もしくはそれ以上の練習をこなすことを毎回続けていくこと。そういう目の前の自分と向き合う大事さはマラソンを始めてから知ったことです。

・一度決断したら終わったことはくよくよ考えず、次をどうするのかと考えるだけ。大切なのは常にポジティブで平常心であること。

・他人がどう思うかではなくて、自分の中での評価が僕にとってすごく大事で、今後はモチベーションを保ってやっていくためにも、そこはぶれることなく大切にしていかなければいけないと実感しました。今回の結果があって、自分の弱さや課題などがクリアになってきたので、そういう部分を省いて、次に向かっていきたいと、今は思っています。

 ・あまり色々なことを考えすぎると、競技に集中できなくなってしまうし、結局大事なのはきついトレーニングをいかに継続できるかということ。無駄なことに神経を使うよりは、機械のようになにも考えず、練習に集中することが大切だと思っています。

・感覚が変わるのが嫌だという選手もいますが、それは僕から見たら慢心です。感覚というのはすごく主観的なもので、自分の感覚であろうと、こんなに頼りにならないものはないと思うんです。それよりも目に見える結果で判断する。感覚にこだわるのは過去に囚われているとしか思えないし、自分の伸びしろを潰しているようなものです。今日調子悪いな、と思っていても、スタートしたら意外と走れたという経験がランナーならありますよね。それぐらい自分の感覚というのはあてにならないです。

・極端なことを言えば、1本1本、一瞬一瞬が大事。例えば、練習で200mを20本走るとします。このとき20本を走ると考えるのではなく、この1本、この200mをどう走るのかということを考えて、それを20回積み重ねる。このとき、1本1本のきつさがどこからくるものなのか、きつさを分割していくことも重視しています。

・マラソンにおいてはきつい瞬間があっても、その後に楽になる瞬間が絶対にあります。それを知っているから、きついことにも対応できる。きついと感じたら、今に集中して、その状況を冷静に判断して対応していく。

・もちろん、毎日戦うことの大変さも感じています。でも戦わなかったときに後悔することはわかっているし、明日後悔しないためには、今日やれることを100%やるしかない。僕はあまり先のことを考えるとどうしても疲れてしまうタイプです。明日の午前中はまたハードなトレーニングをしなければいけないと思うと憂鬱になることもあります。だからこそ今、目の前にあることに集中するようにしています。結果やライバルと同じで、未来は自分の想像でしかない。良くも悪くも自分が作り出したもので、ときにはそれがモチベーションにもなるけど、ではどうやって達成するのかと考えたら、それは過去の経験であって、イコール今の積み重ねでしかない。当たり前だけど、未来はすべて今の影響を受けているんです。きちんと積み重ねていれば、レースの直前に自分を信用することができます。練習さえきちんと積めていればあとはタイミングの問題です。たまたま合うこともあれば、合わないこともある。でもそのときのために常に準備をし続けていることが大事。

・スタートで敵わないと、俺はやってもダメなんだと最初から諦めてしまいがちです。でも5年、10年かかるかもしれないけれど、意志を持ち続けていれば、人は変わっていく。誰しもが劇的に変わることを期待しますが、そんな近道わなくて、意志を持って続けていくことで、少しづつ変わっていくんです。

・僕は流されることに対してすごく恐怖があります。それは競技に限りません。日常生活においても選択肢が無限にある中で、今の自分は何をすべきなのか。それを常に意識しています。

・結局どこに一番プライオリティを置いて行動していくか。こうありたいという思いが強いことが大切だと思います。口ではなんでも言えます。でも、やっぱり楽しいことが一番だよね、学校の友達が一番だよねとなってしまう。そういう日々の小さな妥協が大きな差を生み出してしまう。特別なトレーニングをしているとかではなくて、単に強くなりたいという思いの強さ、どこまで自分の私生活を犠牲にできるかということです。1日24時間という制約がある中で、競技においては、いかに必要のないものを取り除いて、必要なものだけで自分の身を固めていくか、無駄を省いていく作業がすごく大事になってきます。そう考えると他人と協調したり、他人に合わせ、寄り添って練習するのは、僕にとってはなんのメリットもない。

・やらない理由というのは探さなくても簡単に見つかるものです。だから僕はやらないと理由よりもやるべき理由を常に探して積み重ねています。やらない理由を排除したら、やるしかないことだけが残るはずだし、やらなければ後悔するだけ。難しく考えることは意外に誰でもできることです。